海月記 ── 花笠海月の雑記帖

「くらげしるす」と読みます。

2019年6月16日(日)までの日記

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※この日記は右記のnoteより移転したものです。https://note.com/klage

 

2019年6月14日(金)

 俵万智さんがnoteを開設。

https://note.mu/tawaramachi

 新聞執筆記事を同時並行で掲載されるそう。俵さんはパソ通時代からネット媒体で執筆し続けていらっしゃる方なので、実に自然なというかスムーズな参入だと思う。

2019年6月15日(土)

 雨のなか外出。山梨県立文学館の太宰治展へ。

 早めに行って閲覧室へ。15年以上前に検索して、ここに『雑巾先生』(小尾十三)があることがわかっていました。その時は「利用可」みたいな表示だけで、復刻なのか何なのか?という状態でした。それが何なのか確かめたいとずっと思っていたのです。

 前日に検索したところ画像のようになってました。前回検索が15年以上前だからだいぶ変わってました。

 元版、復刻版各1冊に復刻の際についた「雑巾先生のしおり」が2冊。なぜしおりが2冊??? という疑問がありつつも、元版を所蔵していることがわかりました。
 事前利用の申請が必要な資料もありますが、そういう表記はないことも確認。

 ここまでが前日の話。
 で、当日閲覧手続きをしました。館内の検索だと元版2冊、復刻版2冊ヒットします。元版のうち1冊は利用不可。

 検索ではOKでも文学館の都合で(展示中とか整理中とか)NGということはある訳です(遠方から行く場合は前日までに電話で問合せしておいたほうがよいと思います)。「ダメって言われたらどうしよー」と思いつつ、用紙を出したらあっさり出てくる。

 出てきたのは再版です(閲覧できないもう1冊が初版と思われる)。まさに「雑巾先生」のしおりに書かれているままの本でした。なるほどなるほどと思いながらさわってから返却。
 世界に1冊という訳ではないので、これからも見る機会はあるのかもしれないけれど、なかなか機会がない本です。現物を見られただけでなく、触れたのは本当によかった。

 太宰展は解説がすでにある程度知っている人むけで、初心者むけではないかもしれません。一部肉筆類がパネル展示ですけれども現物が多いのでものすごく迫力があります。当時の印刷物はいわずもがな。
 各種復刻本の類は閲覧室で手にとれるようになっていました。復刻のない一部の雑誌は当時のものが手にとれました。めいっぱい見てさわれるようになっています。すばらしい。

 講演は90分と限られた時間を知りつくした進行で、無駄なやりとりのない濃密な内容でした。

 山梨県立文学館は現在、三枝昴之さんが館長です。来館者アンケートには「歌人をとりあげてほしい」と書いておきました。蔵書や展示に反映されるといいなー。

 本当は甲府をウロウロしてみたかったけれど、駅にもどったら夕方だったし雨だったので、そのまま帰ることに。駅構内でソフトクリームを食べ、売店で食料を買ってから帰宅。

2019年6月16日(日)

 晴。堂園食堂。

 少し早めに行って『私家版 体温と雨』(木下こう)を入手。砂子屋書房版が品切のため、増補して有志が復刻したもの。元版は持っているけれど、増補分が気になって購入。
 元版は雨?涙?みたいだけれども抽象的ともとれる絵の入ったきれいな本でした。今回は青を基調としたテーブルと椅子の絵の入ったカバーのついた、静かなたたずまいの本です。いずれも人は描かれず、気配を感じさせるところがこの歌集らしいところ。

 堂園食堂は吉田恭大さんがゲスト。宇都宮さんの時みたいにハッキリとしたテーマはなく、いつものごとく短歌との出会い、堂園さんとの関係みたいな話からはじまり、歌集の話を中心にあっちこっちへ。休憩時間に質問を受付、後半はそれに答えるかたちでした。

 早い時間にはじまったこともあり、二次会にまぎれこむ。圧倒的若者。こういうのはよくないなと思いつつ、だやさんとあまりしゃべったことないのでしゃべってみたかったのでまぎれこんでしまいました(3月のイベントの時、一応話したことはあります)。一緒にペーパー作ったけど、特に親しい訳ではなく完全にネットノリだったんです。

 二次会もいろんな話題が出て、ゼロ年代の本が入手困難という話題なども出る。復刻の決まった『黒耀宮』(黒瀬珂瀾)なんかが代表格だと思いますが、歌葉もそうなのよねー。

 店では話題にしなかったけとぜ、それにつられて、掲示板「e短歌salon」で行われた『林檎貫通式』(飯田有子)の批評会の存在を思い出す。「過去ログ」の6ページ目、827あたりから。「開催期間=1月14日(月)~2月2日(土)」です。

・e短歌salon
http://www.sweetswan.com/ypbbs/

 この「e短歌salon」のはじめのほうで結社をテーマにした投稿募集がされていて、このあたりをふまえて「短歌ヴァーサス」を回顧してみると誌面だけからの印象とまた変わるのではないでしょうか(てきとう)。