海月記 ── 花笠海月の雑記帖

「くらげしるす」と読みます。

2018年6月1日~3日の日記 Bバージョン(文字のみ)

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※この日記は右記のnoteより移転したものです。https://note.com/klage

 

↓のつづきです。
 https://hanaklage.hatenablog.com/entry/2018/06/03/162105

 

 ここからは、もう少していねいに書く必要があるなーと思ったことを書きます。と、いっても「表面に出ていることだけではなんともー」という話がしたいのであって、結論ありません。さわりだけ。
 
 
 
ツイッター上で行われた注意喚起について
 
 2日(土)のイベント前に睦月都さんが、イベントに参加する方、特に比較的若く歌歴の浅い方にむけとして注意喚起をされました。

https://twitter.com/xen_00/status/1002721961934376960

 上記発言から始まるツリーになっています。ハラスメントもしくは類する行為についてです。
 私が以前書いた予防策「一般論として」も紹介していただいています。

https://note.mu/klage/n/n28e6886e440e

 その場で相談をーと言ってもできない場合もあると思います。その場合は「ハナガサクラゲさんって今日来られてます? 私、用事あってー」とか「私、××さんにお願いしたいことがあるんです」とかみたいなことをそのへんの人に聞いて「お話ししたいですー」って席替えしてください。いきなりわりこんで大丈夫です。

 人名は私じゃなくてもよいので、お話しできそうな方で適当な人を考えてください。思いつかなければ「以前××の会でお会いした人を探したい」とかでも、「トイレいくのでー」で別の席の人と話し込んでそのまま移動でも「移動したいのでまぜてください」って直球でも、不自然でもなんでもいい。とにかく「ん?」って話題になったら逃げてください。

 早いうちの対処だと被害が最小ですみます。その場で逃げられなかったとしても、直後に誰かに相談してください。「こういうことがあったら次回はあなたのところに逃げ込みたい」みたいな根回しをすると再発防止になります。

 1人の「困った人」は何十人もの「より弱いと認定した人」に下心を持って接します。性的なものばかりでなく、社会的身分のからむもの、金銭のからむもの、政治のからむもの、指導と思ってする行為のからむもの、いろいろです。
 ある人にとって問題のない行為も別の人にとっては問題のある行為になることもあります。「困る」は人によってちがいます。それは他人にはわからないからこそ「私はそれはイヤです」「それはやってはいけない」と言うことが大事だし、言われたらやめるのが大事です。

 男性から女性に対するセクシャルハラスメントだけを想定したものではありません。

 趣味の集まりはちょっとしたことで崩壊します。1つの会で複数の被害者が発生するということがどれだけダメージの大きいことか。裏方や裏方経験者がどれだけ「大きな問題を起こさずに終わらせる」ことに心を砕いていることか。

 で、これをどういうふうに書いていいのかどうか迷いますが、今回あらためて注意喚起があったのは過去に「比較的若く歌歴の浅い女性」をねらって具体的なことをした人が参加する気配があったからです。
 本名で活動している人に匿名になれという話ではありません。本名以外で活動している人に本名を名乗れという話でもありません。

 問題なく自他の個人情報を取り扱えている方は気にしないでください。

 こういうことを何度も何度も書くのは、問題のないやりとりをやめてほしいからではなく、世の中に一定数存在する「困った人」の被害を広げないためです。

※強者は平常運転でゆるされるのに弱者が神経使わないといけないという不均衡、という構図はもちろん問題があります。しかし、具体的な何かが起こる前の「予防段階」の話題ですので、とりあえず棚上げさせてください。

※こういうことを書くと弱者が強者(と認定した人)に下心を持って接する(媚びを売る)のはよいのかみたいなつっこみをうけます。それはその人が「強い」と思われている訳ですから、なんとか断ってください。あくまでもこれは具体的な何かが起きる前の「予防策」を書いたものです。強者と思われるような人でも「ん?」と感じる会話になったら ↑ みたいなカンジで逃げるのは有効かと思います。 

(この話題終了。次。) 

ニューウェーブ30年、女性が入らない問題、前衛短歌
 
 当日治郎さんから話題が出ましたが、「ニューウェーブ30年ってなんなん?」っていう疑問がまずありました。同人誌「フォルテ」から30年ってことで、まあ30年でいいんじゃないかというような御説明だったと思います。
 言葉ができる前にその言葉のことを語るのはまちがっていると私は個人的に思っています。つまり、「ニューウェーブ」ならば1991年の新聞が用例として初出ですから、30年イベントは2021年でないといけない。もし今年イベントをするのであれば、「フォルテ30年」もしくは「ニューウェーブ27年」「ニューウェーブ約30年」でないと。でもこういう呼称だとキャッチーではないから却下されると思います。

 で、別に「ニューウェーブ30年」っていうイベントに反対しているのではなく、たまにはお祭り的なイベントで過去をふりかえるのもいいよねーというのはあるので、こういうのはどんどんやっていただきたい。

閑話休題。)

 ニューウェーブとは誰かというのはめんどうな問題で、だいたいライトバース(バがヴァだったり「・」が入ったり表記いろいろ)と混同されます。で、ライトバースって?となるとまた範囲のゆれる概念です。あのころの短歌口語体化の流れに含まれる人はだいたい入っておかしくない。
 前衛もそうで、これも自称のようなもの。そして時期も範囲も定義する人によってゆれます。

 「前衛」は定着していると思うので、今さら消せませんけど、こういうゆらぎのある概念であることは広まるべきと思っています。
 ニューウェーブはこれから範囲を広げるか、ライトバースや口語短歌のサブ項目になるか、このまま4人でつっぱしるか。

 当日(パネル中だったと思うけどパーティーでだっけ?)ちょっと話題に出た「ニューウェーブの最後」。最後といっても最終形というかめざすところみたいな意味だと思うのだけど、私は「ニューウェーブの最後は墓4つ」だと思ってます。

 なぜなら、ニューウェーブは4人です、に基本的には賛成だから。4人(場面によって3人)に限定することによって4人(3人)だけの問題じゃないだろーという流れになる。4人(3人)で完結させるべき話ではない。他にもいっぱいいたし、重要な人もこぼれている。そういう流れに目をむけさせる言葉だと思っているからです。

 こういう繊細で長大な話題なので、イベント中で「お答え」として明言することを避けられたのではないかと推察します。つか、私だったらそうする。
 もちろん「女性はいないでーす」で終わる話ではない/終わらせるつもりもない話(と登壇者の方々も思っていらっしゃると思います)なので、これからもこの件はいろいろな人が書くことになると思います。

 このイベント、内容としてはかなりよくばって詰め込まれていました。進行がスピーディーで認識がちがうまま進んだ議論があった気配もありました。
 イベントは記事化されて短歌ムック「ねむらない樹」(侃々房)に掲載されるとのことです。掲載にあたって、ある程度整理され、現場とは違う流れになると思います。こういうのは現場にいてもウロおぼえだったりするし、残っていって参照されるのは公式記録として残された活字です(もちろん当日はちがう流れだったーみたいなことを書くのはそれはそれで悪いことではありません)。

 掲載を楽しみに待ちたいと思います。